インドの伝統的なヨガ「アシュタンガ・ヨガ」について

アシュタンガ・ヨガは、故シュリ・K・パタビジョイス氏により現代に継承されてきた伝統的なヨガです。正しくはアシュタンガヴィンヤサシステムといいます。「ヴィンヤサ」とはサンスクリット語で”流れ”と言う意味です。

アシュタンガヨガはポーズやそれらをつなぐ動作を全て呼吸連動させていきます。流れるような動きと呼吸に集中し決められたドリスティ(視線)を行うことで、自分自身の意識を内側へと向けていきます。それは今の自分を知ること、感じることになります。

アシュタンガヨガの実践に向いている人

ヨガ未経験の方は大抵「ヨガって、体が硬いとできないでしょう?」と、おっしゃいますが、それは誤解です。むしろ体が硬い方が向いていると言っても良いかもしれません。なぜなら、ヨガは、自分自身の体を利用して、肉体はもちろん精神への観察・気づき・受け入れを繰り返すことで、どんなことが起こっても客観的に冷静に判断できる安定した心を養う練習なので、はじめから柔らかくてある程度のアーサナは大体できるという人よりも、できないことが多い硬い人の方が、早い段階でその効果や変化を感じやすく、ヨガの恩恵をたくさん得られるからです。ちなみに、毎日のアーサナ(ポーズ)の練習は、体を健康で丈夫にし、また柔軟性や筋力も自然と養われていきます。はじめはガチガチに硬かった方でも気がついたら、人間離れしたポーズができるようになっているので、ご心配なく。

アシュタンガヨガってハードなんでしょう?!

アシュタンガヨガは、ダイナミックでハードなイメージがありますが、実は、ヨガ未経験であっても、ましてやそもそも運動経験がなくても、老若男女誰もが始められます。なぜなら、アシュタンガヨガのシステムは、最初は簡単なポーズが続き、徐々に筋力や柔軟性が高まっていくにつれて先に進めるようになっており、難易度も徐々に上がっていきますが、体の準備ができないまま先へ進むことはできないようになっているので、自分の実力プラスαの負荷があるという程度です。

全く負荷がなければなんの効果もありませんが、負荷がかかりすぎていると続きません。この「ちょっとだけきつい」くらいの負荷が一番効率的に進歩を促すのです。

プライマリーシリーズ〜セカンドシリーズまで


南インドで生まれた伝統的なヨガ

以下は、再配布が許されているアシュタンガヨガ総本山による公式の文面です。

“シュリ・K・パタビジョイスによって考案されたアシュタンガヨガ”

ヨガは人生の哲学であり、心身ともに活力に満ち溢れ健康な体をつくります。

アシュタンガヨガのひとつひとつのポーズを正しい順番で練習していくことにより、肉体、心理、精神といった、人体が潜在的に持っている能力を効果的に伸ばしていくことが可能になります。呼吸(ウジャイ・プラナヤーマ)、ポーズ(アサナ)、目の位置(ドリスティ)この3つを同時に正しく行うことで私たちの感覚とより奥深くにある意識をコントロールできるようになります。また定期的、献身的な練習を行うことにより、心身の安定を得ることができます。

「アシュタンガ」とはサンスクリット語で、ヨガの八支則を指します。これらは禁戒(ヤマ)、勧戒(ニヤマ)、ポーズ(アサナ)、呼吸(プラナヤーマ)、五感のコントロール(プラティヤハーラ)、集中(ダーラナ)、瞑想(ディヤーナ)、三昧(サマーディ)の8つの枝から成っています。このひとつひとつの枝はお互いを支えあっています。これは、呼吸を正確に行うためにはポーズの修得が必要であり、それができてはじめてヤマ、ニヤマを身につけることができる、といったように全てが繋がっているということです。最初の外部的な4つの枝(ヤマ、ニヤマ、アサナ、プラナヤーマ)をしっかりとマスターしていくことにより、内部的な後の4つの枝(プラティヤハーラ、ダーラナ、ディヤーナ、サマーディ)が自然と進化していくのです。

「ヴィンヤサ」とは呼吸と身体の動きを同調させることを指します。呼吸は一つのポーズから次のポーズへと動きを正確につなげる手がかりとなります。

呼吸を通じ身体に入って来るエネルギーを外に漏らさないようにするテクニックである“ムーラバンダ”と“ウディヤナバンダ”を使いながら、呼吸と動きを同調させることにより、その結果体の中に非常に強い熱が発生します。この熱が筋肉や臓器を浄化し、体の中にたまった毒素を体外に排出させます。またこれと同時に有益なホルモンやミネラルが身体の中から放出され、汗が体の中に擦り戻されることにより更に体に還元されるのです。また呼吸がヴィンヤサをコントロールすることで、さらに効率のよい血液の循環が行われます。このような作用によって軽く力強い身体がもたらされてくるのです。

アシュタンガヨガのシステムは3つのグループに分けられています。プライマリーシリーズ(ヨガ・チキツァ)は体を浄化し、身体のゆがみを矯正します。インターミディエイトシリーズ(ナディ・ショダナ)は神経器官を浄化し、エネルギーの経路を開き、きれいにします。アドバンスドシリーズA、B、C、D(スティラ・バガ)はさらに高いレベルの柔軟さと謙遜的な姿勢を必要とし、ヨガの修練が持つ力強さと優美な面を統合します。

次のレベルのシリーズに進む前には、その前のレベルのシリーズを完全にマスターしていることが条件となり、ポーズが正確に順番通り行われていなければなりません。全てのポーズはその次のポーズへの準備となり、次のポーズへ移行するために必要な力強さやバランスを養うためのものであるということを忘れないでください。

呼吸について

アシュタンガヨガでは一定に連続した深い呼吸がとても重要視されます。呼吸が身体の動きを導くことで、動きがポーズを生み出し、それぞれの体の動きがなめらかに正確で完全に安定したものになります。

 シュリ・T・クリシュナマチャリヤとシュリ・K・パタビジョイスは「呼吸は人生である」と説いています。呼吸は私たちが行う最も根本的且つ不可欠な行為であり、神聖な物として扱われています。吐く息は神へ向かう行為であり、そして吸う息は神から授け物をもらう行為であるというように。私達は最期に息を吐ききって死に到ります。これは最終的な神への完全降伏を意味しているのです。

練習について

努力無しには結果はありません。これまで西洋に紹介されてきたヨガのイメージとは違い、アシュタンガヨガは力強さやスタミナや汗をもたらします。この肉体的にハードな練習を続けることは大変な努力を必要としますが、その結果、身体中にたいへんなエネルギーがもたらされ神経器官は浄化され、ますます力強く生き生きとなっていきます。そして精神的にはますます明るく光り輝き、明瞭になっていくでしょう。
「みるもの全てに神をみることができるようになる。」とシュリ・K・パタビジョイスは言っています。練習を重ねることでのみ、私達のグルがいつも言っていることの真理を感じ取れるのです。

「全ては神である。」

アシュタンガヨガを学ぶ際には、必ず伝統的な方法でトレーニングを積んだ先生から学ぶようにして下さい。正しい方法でトレーニングされた先生からのみ、心身を傷つけることなく安全で安定した練習を行うことができるのです。

アシュタンガヨガ研究所

シュリ・K.パタビジョイス/Director
シャラート・ラングスワミー/ Assistant Director
住所: #235 8th Cross, 3rd Stage
Gokulam, Mysore 570002
Karnataka, India
電話: +91-821-2516-756

以上の文章はシュリ・K・パタビジョイスの承認を受けた上でアニー・ペースが作成したものです。この文章は一切の変更無しでの場合のみ、再配布が可能です。

アシュタンガヨガがどんなものか、なんとなくでもわかっていただけましたか?みなさんと一緒に、大好きなアシュタンガヨガの実践ができることを楽しみにしています。