私の初めてのマイソールヨガ修行も、残すところあと数日となりました。
今日は、ここへ来てふと考えたこと、普段の生活から遠く離れたインドで修行をする意義について書きたいと思います。
ヨガ歴14年にして初めてのインド
私がアシュタンガヨガに出会ったのは2006年なので、14年経って今さらなぜ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、単純にこれまでは行く準備ができていなかったけれど、今回は生活環境や経済面、家族の理解においてその準備ができたから、というのが大きな理由です。
また、その「行きたい!」という気持ちにさせてくれたのが、マイソールの師匠、シャラート先生です。2018年秋に東京で行われたシャラート先生の「インターミディエイトレッドクラス」を三日間通して受講しました。
シャラート先生の恐ろしく長いカウントにぴったりと息を合わせて、できなかったらそこでストップさせられるというプレッシャーの中、満身創痍になりながらも、最後までやり抜いた、120%の力を出し切った、あの達成感。
そして感謝の気持ち。今でもリアルに思い出せます。
今までに経験したことのないエネルギーがあの会場に溢れていて、それがあったからこそ、出し切ることができたのだと感じました。
あの感動と情熱をもう一度味わいたい、というその気持ちが、今回のマイソール行きを決めたのでした。
本気でアシュタンガヨガを学びたいならインドへ行くべき
アシュタンガは「8本の枝」という意味で、ヤマ(禁戒)、ニヤマ(勧戒)、アーサナー(ポーズ)、プラーナ(呼吸法)、プラティヤハーラ(感覚の制御)、ダーラナー(集中)、ディヤーナ(瞑想)、サマーディ(三昧)という8つの段階があります。
私たちのほとんどが、最初の三段階までを長年かけて修行をすることになります。
日本にもたくさんのヨガスタジオがあり、アシュタンガヨガを教える先生もたくさんいますが、その中で、ちゃんとアシュタンガヨガの修行をしている先生はどれくらいいるでしょうか?
アシュタンガの修行ができているかというのは、どれくらいアーサナーが進んでいるかということではありません。
ヨガの本来の目的、どんなことが起きても、揺るがない安定した心身に鍛えるための練習です。
どんな練習をするかというと、まずはポーズや呼吸の練習をしながら身体を強く健康に保ちます。
その中で難しいポーズに出会った時、自分の心身がどうなるのか、気付いたりそれに立ち向かい乗り越える作業を繰り返します。
そうしながら、少しずつ強さと柔軟性が身についていきます。
そうするとメンタル面も同じように強さと柔軟性が養われ、普段の生活の中にそれが活かされるようになり、自信がついて、行動が変わります。
八段階の最初の2つ、ヤマとニヤマは、道徳と習慣についてのルールみたいなものですが、当たり前のことのようでこの現代社会において実践するのはなかなか難しいです。
ですが、毎日一生懸命アーサナーの練習をしていれば自然と少しずつ実践できるようになってくるわけです。
先ほども述べたように、難しいアーサナーができるからといって、ヨガを熟達しているとは言えません。
アーサナーを日々練習することを続けながら、ヤマ、ニヤマの実践を意識して行わなければ、その先の景色を見ることはできないのです。
とはいえ、普段の生活をしながら、毎日ヨガの修行を続けていくことは、なかなか難しいことです。
ついつい、練習をサボってしまったり、適当に終わらせてしまったり、ヤマやニヤマのことを忘れたりします。
私たちの周りには、私たちのヨガ修行を邪魔するものがたくさんあるからです。
だから、それを思い出すため、習慣を整えるため、何にも邪魔されずに、自分の信頼できる先生の元で毎日必ず本域で練習をする。
それを一定期間だけでも継続して行う。
たとえそれが年に一回のことであっても、経験するとしないとでは雲泥の差だと思います。今回それを実際にやってみて、そう感じました。
一度きりの人生。幸せに生きるために何をするか?
私には、毎日一緒に過ごす家族がいます。
私がヨガを続けている第一の理由は、この大切な家族がいつでも円満に幸せであるように、何が起きても乗り越えられるような強さと優しさと賢さを身につけるためです。
(そのためにも、日々のストレスは少ない方がいいし、常に健康でなければ、他を大切にする余裕ができませんよね)
だから私にはこの「ヨガ」の練習が必要です。
そのヨガの修行も、質の高いものである必要があります。
そうでなければ、なかなかその恩恵を感じることができないからです。
それを知るためには、それを教えてくれる先生のもとに行くしかありません。
私はシャラート先生の元で一か月間練習を続けましたが、大切なのは、どんなアーサナーをやったかではなく、この日々の中で何を感じ何をしたか、その気づきと行動であるということを改めて思い出しました。
これから私が日本に帰ってやることは、日々の暮らしを大切に楽しみながら、自身の練習と指導、伝える作業、と、これまで通りではありますが、より質の高いものにしていきたいです。
また来シーズンもシャラート先生の元で練習ができるよう、日々努めて行きたいなと思います。